ShigetanのフワッとRe:birth&チャレンジ日記

年齢を重ねてからでも、再度新しい目標に向かってチャレンジするのは自分にとっても周りにとっても良いことだよ。を表現する日記

思い出の味

そうだ、確かこのあたりだ。

私はそう言って見覚えのある角を曲がった。

あった、あの店だ。

そう、今から50年前、私はこの店でザルそばを食べて

再起を誓ったのだ。

ある番組のTVスタッフも同行している。

突然、空港で話しかけられてついてきたのだ。

 

店に入ってザルを一枚頼んだ。

来た。

先だけつけてズルズルっっと流し込んだ。

間違い無い。この味だ。

こののどごし!50年前の記憶が一気に蘇った。

店を後にするとTVスタッフが今の気持ちを一言と迫ってきた。

野暮なヤツと思いながら、喋ろうとするととめどなく

涙が流れてきた。

「ちょ、待って」

しばらく感慨にふけって気を取り直すと

自分の今の感動MAXな気持ちをマイクにぶつけ

思いの丈をしゃべった。

そして帰路についた私だった。

 

後日、TVスタッフから連絡があった。

 

・・思い出の店は実は隣町にありましたと。。

そんな馬鹿な。

店の名前は木に隠れてよく見えなかったが

写真を見せてくれた。ザルを食べた店の名前は

知らん店だった。

 

スタッフが後日探した店は、まさに店の名前も

雰囲気も当時のままだった。

ああ、この店だよ。

 

この間、知らない店で食べたザルに涙したオレ。

 

あの時、たしかに店の雰囲気や味も違う。

あの微妙に感じた違和感は50年の月日が何もかも

変えたものだと思っていた。いや、思い込もうとしていた。

 

 

あのときのオレの涙、、返してくれ。あ〜恥ずかし。