伝統料理
歴史の古いある民族の伝統料理の試食会があった。
参加者は料理関係、主に店をやってるシェフが参加していた。
私もご多分に漏れず全5回のうち初回から参加した。
最初のオリジナルを食したとき、独特の味付けで
都会にあるうちの店では中々受け入れづらい味だと感じた。
そこで私は回を追うごとにアレンジを加えていった。
5回目の最終回では「よしっこれでいける!」と
自分なりに満足のいくアレンジが出来た。
「○○の伝統料理、ここに極まれり」こんな店舗用ののぼりを大々的に
店の前に掲げた。
民族の長がお祝いに食べに来てくれた。そして一言。
「・・・伝統料理の味がどこにもない」
私も同感である。
おいしく食べやすくなったのは良いがアレンジしすぎて
「伝統料理のかけらすら見当たらない」
材料からしてまったく別ものの料理になっていた。
「さあ、食べてつかあさいや」
私は威勢よく言うと、伝統の民族舞踊をみようみまねで
威勢よく踊りだしたのだった。